スロットで月間プラス収支を目指すおっさんの奮闘日記

アラフォー 期間工 借金etc 悩み、もがき、追い詰められながらもそれなりに日々を楽しんで生きているおっさんです。日常の様々な事を記事にしています。2019年7月にフル満了で神戸市に帰ってきて、今は介護施設で働いています。

負け犬の遠吠え ~精算3~

さやかとは、ほぼ毎日会っていた。仕事終わりにはご飯を食べに行き、休みの日は近場へドライブに行ったり…でも、あまりお金は使わなかった。どんな事でも喜んでくれる。金のない彼は、本当に嬉しかった。

 

さやかと毎日会っているので、パチンコの頻度は減っていたが、やめてはなく、給料日前は辛かった。

 

当時は、初代北斗が流行っていて、「北斗揃いやのに単発やった」「昇天させたった」などとはしゃいでいた思い出がある。どこの店にもあったので、設定関係なく、色んな店で打っていた。近所の店は、増築して『北斗の館』として、増築部分を全台北斗にしていた。

 

デート代、生活費、パチンコ代、借金の支払い…正直苦しかった。誰にも知られたくなかったが、誰かに助けて欲しかった。借金の経験のある人の思って多くが経験している感情である。

 

彼はさやかならなんとかしてくれるかも知れないと思った。本当に優しく、人を思いやれる女性だったし、自分のことを本当に好きでいてくれていると彼は感じていたから。

 

また、さやかが妊娠した時、相談に乗ったから…

 

『さやかが困っていた時に助けたから、俺が困った時も助けてくれるだろう。嫌とは言えないだろう。』

 

もし振られたら…なぜかその時はそんなことは全く考えていなかった。さやかがお金を持ってなかったら仕方がないとは思ったが。

 

ある日のドライブ中、思い切って相談した。

 

「さやかに言わなあかん事があるんやけど」

 

『どうしたん』

 

「実は、俺、借金があって」

 

『………』

 

『いくらあるん?』

 

「55万」

 

『なんで私に言ったん?』

 

「今まで誰にも話してなかったけど、苦しくて。ごめんなさい。」

 

『どうしたいん。』

 

(ん、ひょっとしてなんとかしてくれるんかな?)

 

「いや、話を聞いてくれただけで少し軽くなった。ありがとう。」

 

(振られる事はなさそうかな)

 

『60万円位貯金がある。今から一緒に返しに行こか』

 

「……えっ、そんなつもりで話したんとちゃうから」

 

『返されへんのやろ?これから私に返してくれたらいいから』

 

「ありがとう。」

 

『スロットするなとは言わんけど、借金してまでするのはどうかと思う。』

 

「ごめんなさい。」

 

という事で、すぐに業者に電話して正確な額を教えて貰い、一緒に業者のATMへ行き、完済した。いや、してもらった。

 

『助かった…』

 

『もう借金はやめよう』

 

肩から重たいものがすっと降りた。今まで経験したことが無い爽快感だった。

 

さやかとは、お金の貸し借りの関係になったが、交際はそれからも前と変わらず順調に続いた。変わった事と言えば、デート代がほぼ割り勘になった事くらいだった。

 

さやかと健二はどちらともなく結婚を意識するようになった。