スロットで月間プラス収支を目指すおっさんの奮闘日記

アラフォー 期間工 借金etc 悩み、もがき、追い詰められながらもそれなりに日々を楽しんで生きているおっさんです。日常の様々な事を記事にしています。2019年7月にフル満了で神戸市に帰ってきて、今は介護施設で働いています。

負け犬の遠吠え ~転落2~

消費者金融を利用するのは10年以上振りだった。

 

罪悪感、緊張感、バレる恐怖感…様々な感情が交錯したが、今日食べるものもない、タバコも吸えない、そんな切羽詰まった状況だったので、迷いは少なかった。

 

モ○ットを選んだ理由は、在籍確認が、必要書類の提示で代用できるからだった。

※記憶が曖昧なので、在籍確認については実際と異なる可能性があります。

 

借金をする上で、在籍確認で会社に電話をされる事には、多くの人が抵抗を感じていると思う。会社に借金をしている事が発覚すると、仕事がしづらいし、なにより会社に居づらいからである。健二も出来ればそれは避けたかった。

 

ネットの噂通り、身分証と給料明細で審査に通り、50万円の枠を貰えた。

 

嬉しくて、タバコを買い、肉を買い、お菓子も沢山買った。そしてなによりも、スロットを心ゆくまで打った。

 

自分のお金じゃないのに。

 

『ご返済は、月12000円から』

みたいなキャッチコピーに騙されて、これから殆ど利息のみの支払いで、完済出来ないのに。

 

完全に気持ちが大きくなり、50万円は2ヵ月程で使ってしまった。

 

「お金がなくなった。どうしよう」

 

「また借りよう。」

 

在籍確認は嫌だけど、そんなことも言ってられない。

 

違う大手消費者金融に借りた。

 

50万円。前回と併せて100万円。今まで、100万円なんて健二は貯金したことはなかった。返せるはずはない。薄々は気づいていたが、止まらない。

 

これも数ヶ月でなくなった。

 

もう、総量規制に引っかかるのでこれ以上は借りられない。

 

という事で、次は銀行カードローンから借りた。2社から計100万円である。合計200万円。加えて、お金がない時は、クレジットカードで買い物をしていたので、クレカの残も50万円程ある。計250万円。

 

支払いは月8万円を超えていた。健二の手取りは20万円に少し満たない位だったので、住宅ローンや携帯料金、水道光熱費、養育費、税金を差し引くと、2万円位しか残らない。なので、返済しては借り入れを毎月繰り返していた。所謂自転車操業である。

 

タバコは吸いたい、ご飯もお菓子も食べたい。酒は飲まないが、たまには居酒屋にも行きたい。もちろんスロットにも行きたい…

 

スロットは好きだが、もう行っては行けない状況である事は理解していた。だが、何とか所持金を増やさないと日常生活に支障が出る。毎回切羽詰まった思いで通っていた。

 

借金の返済以外の支払いは後回しにして、勝ったら支払うという状況だった。支払えなかった分は翌月の給料から支払う…

 

状況は悪化していった。職場では平静を装っているが、頭の中はお金の事でいっぱいであった。

 

父には年に3回ほどお金を貰っていた。名目上は、住宅ローンのボーナス払い分が足りないという事だが、出張に行く、給料が減ったなど、うそをついて貰った事もあった。父は、小言を言いながらも、いつも健二が希望した金額より少し多めに振り込んでくれた。

 

 

健二の父については前にも少し話したが、健二がメンタルを壊した時、一番心配してくれた。昔の父からは想像出来なかったので、はじめは驚いたが、本当に感謝している。普通は恩返しをする年なのに、心配をかけ、援助もしてもらい、嘘もつき…最低な息子だと自覚している。もう70を超えていて、親孝行できる時間は限られているが、せめて一度は親父の喜ぶ顔が見たい、親父を喜ばせたい。これは健二の本心である。現状は真逆であるが。

 

 

 

借金は減らない、食べるものもない、支払いは滞り、時々督促の電話もくる。携帯も停ま る事が増えてきた。もうどの借金も限度額一杯で、増額も断られた。給料日まで1週間以上あるが、残金は3000円程。前月の各種未払いを次の給料で支払うと…完全に破綻した。

 

 

「もうあかん。どないもならん。」

 

健二は債務整理をする事にした。